ブックタイトル365日のワークシート

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概要

365日のワークシート

発行のご挨拶全国聴覚障害教職員協議会会長堀谷留美全国聴覚障害教職員協議会が設立されて以来、当事者であるきこえない教職員による、自立活動のあらゆる分野を網羅した教材の誕生が待ち望まれてきました。ここにようやく誕生した『365日のワークシート?手話・日本語そして障害認識?』は、全国のきこえない教職員ときこえる教職員たちが作製した教材をまとめあげたものです。本書の特徴として、次の3点があげられます。一つ目ですが、かつて聴覚障害教育の世界では手話-口話論争が繰り広げられました。しかし、私たちは、この論争には子どもたちが社会的に自立するために必要な力は何かという客観的な分析が欠けているととらえ、手話言語と日本語は対立するものではなく、生きる力としていずれも必要であると考えています。本書においても、手話言語と日本語は聴覚に障害のある子どもたちに、かけがえのない言語であるという視点を明確に示し、両方の言語習得をめざす実践例を集めました。二つ目の特徴としては、ひとつひとつの教材が、聴覚障害児(者)たちの実生活に密接した内容になっているということです。「きこえないことをどのように説明するか」「こんなときにどうする?」という単元では、聴覚障害のある子どもなら一度は経験するであろう場面を想定した問いかけがなされています。きこえない教職員自身の経験に基づいて作られた教材を収めていくという本書の最大の特色であると思います。そして三つ目は「障害認識」を取りあげていることです。これはきこえない・きこえにくいことを子どもたちがどのようにポジティヴに受け入れていくかという重要な発達課題です。本書は、多種多様な場面を想定し、またアプローチ方法についてもさまざまな工夫をこらしています。これらも、きこえない先輩からの、「子どもたちには社会的自立にむけた力強い第一歩をふみだしてほしい」というメッセージが凝縮されたものともいえるでしょう。さて、本書の編集のさなかの2011年3月11日、日本は未曾有の大災害、東日本大震災に遭遇しました。目をおおうばかりの大惨事に心からお見舞い申しあげるとともに、「生きる力」を被災地の子どもたち、先生方から教えていただいた思いです。生きる力とはすなわち「やさしさ」「相手を思いやるこころ」であると、実感しました。本書を活用して、ぜひこのような力を育てていきたいと強く願っております。執筆予定の先生方の多くが東日本に在住しておられ、本書の発行が一時危ぶまれましたが、被災された先生方が、その困難な状況にもかかわらず奮闘され、貴重な原稿、イラストをお寄せくださいました。また、執筆や編集作業にご協力くださった方、すばらしいイラスト、表紙を描いてくださった方、編集作業のための場をご提供くださった方、そして本書の印刷・装丁にいたるまで、私どもの意をくみとってくださった日本印刷株式会社にお礼を申しあげます。