当シンポジウムのテーマとして掲げた「『一以貫之』~恕の精神をもって~」は、近代日本における聴覚障害教育・視覚障害教育の黎明期を築いた古河太四郎先生が綴った言葉「教育は恕の一字にあり」から引用したものです。コーダ(CODA/Children of Deaf Adults/きこえない・きこえにくい親をもつ聞こえる子ども)としての経験から、NPO法人サイレントボイス代表理事として務めておられる尾中友哉氏による記念講演は、様々な気付きと発見を与えました。記念講演のまとめとして、尾中氏ご自身の思いを親に伝えようとした「ヘビイチゴ」の話は、伝えたいという気持ち、そして、分かってもらえた喜びこそが、学びの主体性を育むことにつながるものだと気付かされました。「ヘビイチゴ」の話によって、感動と共感の輪、実に「恕」の精神が会場に広がったように感じました。2日目の分科会でも、それぞれのワークショップや実践報告、発表が行われました。参加者同士の活発な意見・情報交換が行われ、参加者よりもっと時間がほしいという声があがったほどでした。どの分科会も熱意のある議論が交わされ、有意義な時間を過ごすことができました。